Real Thing


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Stay (Faraway, So Close!) / U2

Bono


青信号 セブン・イレブン
煙草を買いに立ち寄る君
君は煙草を吸わないし、吸う気なんてないのに
つり銭を確かめている君の姿は
まるでクラッシュした車みたいに眼を引くね
ひっくり返った車のホイールは空回りしてる
君は彼に殴られても何てことないわ なんて言う
傷つけられるときに生を実感するって
本当にそうかい?

赤信号 灰色の朝
地面の穴から這い上がる君
ヴァンパイアか、その犠牲者か
成り行き次第で立場は変わる
テレビCMを観ていた君
トーク・ショウに合わせたクチパクがお得意だったね

僕を見るとき 君の眼は遠くを眺め
話しているときも 相手は僕じゃない
そして
僕が触れても君は何も感じない

僕が傍に居れば 夜を恐れる事などないよ
ここに居て 
そうすればその日は大丈夫だよ
ここに居て 
そうすればその夜は充分だから

遥か彼方 とても近く
電波妨害とラジオ放送
衛生放送と一緒に
君はどこにでも飛んでいけるね
マイアミ ニューオーリンズ ロンドン
ベルファスト そして ベルリン・・・

君が耳を傾けようとしても 僕は呼ぶことすらできない
君が跳んだら そのまま堕ちていくだけ
君の叫び声が耳をかすめる

僕が傍に居れば 夜を恐れる事などないよ
ここに居て そうすればその日は大丈夫だよ
君が連れてきた悪魔と一緒に
君が見つけてきた精霊と一緒に
ここに居て 
そうすればその夜は充分だから

午前3時
静寂の中、周りには誰も居ない
ただ熱気と喧騒が漂っている処に
天使が舞い降りる
ただ熱気と喧騒が漂っている処に
天使が舞い降りる



映画ヴィム・ヴェンダース監督作品「時の翼にのって(1993)」のテーマソングに起用されたU2の曲。
前作「ベルリン・天使の詩(1987)」のわずか2年後にベルリンの壁が崩壊するなんて、当時誰が想像したでしょう。
壁崩壊のときの歓喜する市民の姿をテレビで観て「世界って変わることができるんだな」と実感したものです。
壁によって分断されたベルリンは東と西が文字通り「遥か彼方 とても近く」だったわけですよね。
世の中の歪みが日常に溶け込んでいた街に居ると、天使が降りてこないだろうかと考えたくなるのかもしれない。
東西ドイツ統一のあと様々な問題が表面化することになるわけですが、こんな数年で激しく社会情勢が変わってしまうと、作品に反映する世界も変わらざるを得ないわけで・・・

この作品では、天使の眼に映る世界はモノクローム。
ルーベンスの絵画に出てくるような愛らしい天使ではなく、くたびれたコートを羽織った中年の男性や女性だったりします。
天使の姿は人間に見えず、声も聞こえない。
人間が悲しんでいても慰める事もできないし、命を助けてあげることもできない天使達。
「わたしたちって誰を救うこともできないのに、どうして存在しているのかしら・・・」
と呟くのは登場人物の一人、天使ラファエラ。
永遠の命を持ちながら、現実にはひとを誰一人救うことができない天使。

ですが、個人的に特定の相手を救おうとしたとき、特別の好意を持ってしまったとき、天使は人間に変化します。
そのときやっと世界は色彩を持って現れるのですが、人間の世の中には毒々しい色彩も含まれていると天使はなかなか気付く事ができません。モノクロームでしか見たことがないから。

自分が存在する世界で疑問を持たずに生きていくことが可能ならばそれはひとつの平穏なのに、そこに安住することができない苦しさ。
この時期のU2ってちょっとそういう部分があったんじゃないかと思ったり・・・。

このPVの監督も映画と同じくヴィム・ヴェンダース。
映像作品としても、とても美しいです。
JUGEMテーマ:U2



[Songs] U2 | permalink | comments(5) | trackbacks(0)

I Don't Love You / My Chemical Romance

I dont love you


ねえ、行ってしまうつもりなら
俺が君を思い留まらせようとするなんて思うなよ
だってもし君が戻ってきたって
俺は違う道を見つけて歩いているんだから

これまでずっと一緒に過ごしてきた時間の果てに
君に何の価値もなかったのかどうかなんて俺にはわからないけど
君はその手袋を持って出て行けばいいよ
立ち上がって
今のうちに行っちまえばいい

行ってしまうつもりなら
せめて振り返って言ってくれよ
「もうあなたを愛していないの 昨日までのようには」

哀願しながら泣き叫んだこともあったね
病み、疲れ果て、打ちのめされたこともあった
だけどベイビー 落ち込んでどうしようもないときこそ
何とか踏みとどまらなきゃいけないんじゃないか

これまでずっと一緒に過ごしてきて
血を流すような思いをしてきたっていうのに
金を手にしたってもう辛くなるだけ
だから君は眼をはっきりと見開いて起き上がるんだ
起き上がったほうがいいよ
そして今のうちに行っちまえばいい

行ってしまうつもりなら
せめて振り返って言ってくれよ
「もうあなたを愛していないの 昨日までのようには」

ああ お願いだ 頼むから

行ってしまうつもりなら
せめて振り返って言ってくれよ
「もうあなたを愛していないの 昨日までのようには」

もうあなたを愛していないの
あなたを愛してた昨日までのようには

もうあなたを愛していないの
あなたを愛してた昨日までのようには



何かこれ、歌詞だけ読むと沢田研二の「勝手にしやがれ」を思い出すんですけど(爆)

失恋の歌は数多くあれど、強がりを言いながらみっともなく情けない姿を晒す歌って、私 好きなんですよね。
かっこいい男がかっこ悪い姿を晒すのはかっこ悪くないから、かっこいい歌に聴こえるんだろうと思うけど(ややこしいな)。

恋人同士だった時間が長い短いに関係なく、別離の訪れのときはたぶん
「今まで2人で過ごした時間は何だったんだろう」
と思うんじゃないでしょうか。まるでそれらの時間を切り落とされたような・・・。

恋人が無価値なひとだったとは思いたくない。2人の時間が無駄だったとは思いたくない。重ねてきた時間を否定することは自分の時間を否定すること。

無駄じゃないんですけどね。
こういう痛みがこの世の中に「在る」ということを知る という意味では。

彼らのインタビューによるとこれは「死の間際に思い出す失恋の記憶」なんだそうで。
そうしてみると失恋という傷は一生引きずるんだなあと。自分の身に残った手術痕なんかもそうですが、一旦付いた傷は「無かったとき」のようには戻りません。
一生、この傷痕を抱えて生きていくんですよね。これは心の傷も同じだと思うな。
元気に普通に生活しているときにはそんな傷痕も気にならないものですが。

でも死の間際に思い出してもらえるような恋だったら、ちょっと嬉しいかもしれないな。
JUGEMテーマ:ROCK



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November Rain / Guns N' Roses

November Rain


君の眼を覗き込むと
愛が抑え付けられているのが見えるよ
だけど愛しい君、君を抱くときに
俺も同じことを感じているってこと
分からないんだろうね

だってどんなことも永遠には続かないんだよ
ひとの心は移ろいやすいものだと
2人とも分かっているはず
冷たい11月の雨の中で
蝋燭を掲げているのは難しいことなんだ

ひたすら苦痛を和らげようとして
俺たちはひどく長い長い時間
こんな状態を続けてきたよね

だけど恋人たちはいつも移ろいやすいもの
誰にもはっきりとは分からないんだ
今日 誰が恋を棄て去っていくのなんて

もし俺たちが時間をかけて
上手くことを運ばせる事ができたのなら
君のすべては俺のものだと
心安らかに思えたはずなのに
だから
俺を愛していたいのならば
愛しい人 同じ事は繰り返しちゃ駄目だよ
そうしないと最後には
俺は冷たい11月の雨のなかに消えてしまうから

自分だけの時間が必要なんだろう
独りっきりの時間が必要なんだろう
誰にだって自分だけの時間が必要なんだよ
君にはそれがわからないのかい

周囲のひとたちが君を傷つけようとしているときに
心を開いて生きていくのは難しいよね
だけど傷が癒えたなら
外には素敵な世界が広がっているんじゃないか

俺にだって自分だけの時間が必要なときがあるんだ
独りきりの時間が必要なんだよ
誰にだって独りの時間が必要なんだ
君にも独りっきりの時間が必要なんだって
わからないのかい

君の恐怖は和らいでも
その影はまだ残っているね
非難するひとが1人も居なくなったなら
君も俺を愛せるはずだよ
だから暗闇など気にしなくてもいいんだ
まだ俺たちの道は見つけられるよ
だって永遠に続くものなんてないんだから
この冷たい11月の雨だって

誰かが必要だと思わないかい
誰かのことが必要だって思わないかい
誰だって誰かを必要としているんだよ
ただ君だけがそうなんじゃないんだ


7月の来日ライブでのNovember Rainはイントロといっしょに雨の音が一瞬混じり、思わず上を見上げてしまいました。

どんなに愛し合った恋人同士も所詮は他人同士。
君を愛してる とか 守ってあげたい とか そういう安っぽい手垢の付いたラブソングが巷に溢れるなか、この痛切なラブソングはどこか異端。
お互いがお互いを必要としていながら、誰だって自分の時間が必要なんだよと突き放さなくてはならない これは恋愛に必ず生まれる軋みです。
相手との関係を壊したくなければ、双方に努力が必要であること・・・幸せで楽しいだけの時間は長く続かない。


PatienceもDon't Cryもそうですが、アクセルの書くバラードのラブソングはいつもどこか哀しく痛いですね。
ええと、ものすごく人気の高いNovember RainのPV、私はあんまり好きではありません。映画のような作りは何となく演出過剰な気がしてしまって(汗)



こちらはNovenber Rainアコギバージョン。
元々はデモとしてネットにリークしているもので、オフィシャルでリリースされたバージョンではありませんがこれが異常に素敵。
ピアノともども厚みあるアルバムバージョンも勿論いいのですが、このアコギバージョンも素晴らしいです。
動画はファンの方がPVをちょっと加工したもののようで、映像ラストでその旨コメントをクレジットされています。
それを読むとどうやらこのバージョンは、デビュー前の1986年にに録られたものだとか。
これだけ完成度の高いバラードを持っていながら、デビューアルバムの「Appetite For Destruction」には入れなかったのですから不敵ですよね〜(笑)



[Songs] Guns N' Roses | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

Caroline Says II / Lou Reed

Lou Reed


キャロラインは言う
床からようやく立ち上がって

 どうして私を殴るの?
 何がおもしろいの?

キャロラインは言う
眼の下の痣を化粧で直しながら

 私のことなんかを考えるより
 あなたはもっと自分自身について学んだほうがいいわよ

しかし彼女は死ぬことなど恐れていない
彼女の友人たちはみんな
彼女を「アラスカ」と呼んでいるんだ
彼女がスピードでらりってしまうと
みんなで彼女を笑いものにして、そして尋ねる

いったい何を考えているんだい?
その心の中にあるのはなんなんだい?

キャロラインは言う
床からようやく立ち上がって

 私を好きなだけ殴ってもいいわ
 でも、もうあなたを愛していないの

キャロラインは言う
唇から滴り落ちる血を舐めながら

 人生ってもう少し意味のあるもののはずよ
 これじゃ酷いトリップだわ

しかし彼女は死ぬことなど恐れていない
彼女の友人たちはみんな
彼女を「アラスカ」と呼んでいるんだ
彼女がスピードでらりってしまうと
みんなで彼女を笑いものにして、そして尋ねる

 いったい何を考えているんだい?
 その心の中にあるのはなんなんだい?

彼女は握り締めた拳で ガラス窓を突き破った
何だかおかしい気分だよ

アラスカはとても寒い
アラスカはとても寒い
アラスカはとても寒い・・・

ベルリン
BERLIN Lou Reed

Happy birthday dear Caroline・・・から始まるアルバム「Berlin」に出てくるCaroline。
このアルバムは、ベルリンを舞台に綴られる物語構成になっています。
それはまるで一本の短編映画のよう。

冒頭でハッピーバースデイと祝われるCarolineが堕ちていく有り様は哀しく寒々しい。理想どおりの人生は遥か遠く、当て所も無い。
ギターの音色が美しく歌声も語りかけるように優しいので、尚その陰影が際立ちます。

この曲のあとには「The Kids」という曲が続くのですが、本当の赤ん坊の泣き声が挿入されている箇所に差し掛かるといつもドキッとします。
泣き声が入っていることは何度も聴いて知っているはずなのに、いつ聴いても不安な気持ちにさせられる声なのです。
赤ん坊の泣き声というものにはちゃんと種類があって、お腹が空いているときの泣き声を甘えているときの泣き声と怒っているときの泣き声と全部違うのですよ。それは母親の耳を持っていれば聞き分けられるはず・・・(普通であれば)
ここで挿入される泣き声は「母親不在」への危機感と不安感です。こどもにとっては母親の不在は自分の生存に関わる重大事ですからね。
Lou Reedの凄いところはその不安感を描きながらも、決してその痛みを棄て去るような作品ではないところです。「Caroline Says II」でもそれは同じで。
他者の痛みを癒す事など容易いことでない と知っているんですね。だから、救いの無い物語を紡ぎながらもどこか優しい。冷淡なひとには絶対に作れない作品だと思います。
人間の心って不思議なもので、前向きで表面的に美しい言葉ばかり並び立てた歌詞では落ち込んでいるときは却って白々しく感じてしまうことってあるんですよ。そんなわかりきったこと、今は聴きたくないよ・・・というか。
一緒に堕ちてくれる歌が結果的に慰めになるってこと、あるんですよね。

[Song] Lou Reed | permalink | comments(0) | trackbacks(1)

The Fly / U2

The Fly


星が空から落ちてくる それは秘密でもなんでもない
今夜、世界は暗闇に包まれている それは秘密でもなんでもない
時々太陽が月に覆い隠されることもあるんだって
君は知っているよね 彼女が部屋に入ってきたら
僕は君に会えなくなってしまうってことを

友達とは自分に手助けをさせる人なんだ それは秘密でもなんでもない
嘘つきは自分以外を信じない それは秘密でもなんでもない
秘密ってものはたった一人のひとに打ち明けるものなんだって
だから僕はきみに話したいんだ・・・君だよ

愛、燃えさかる星のように輝け
僕達は空から落ちていく
・・・今夜

男は懇願し
男は這いつくばり
愛の真正面からまっさかさま
壁を這う蝿のようになってしまうのさ
全てのものは秘密でもなんでもないよ

良心はときに疫病と化す それは秘密でもなんでもない
野望は成功の爪を噛み切る それは秘密でもなんでもない
芸術家は皆人食いで 詩人は皆物盗りで
みんな苦悩の歌を歌うために己のインスピレーションを殺している

愛、燃えさかる星のように輝け
僕達は空から落ちていく
・・・今夜

男は這い登り
男は堕ちる
愛の真正面からまっさかさま
壁から落ちて行く蝿のよう
全てのものは秘密でもなんでもないよ

そうさ
星が空から落ちてくる 秘密でもなんでもない
たったひとりの男の嘘のせいで
この世界は爆発しているよ

あのさ 僕はもう行かなくっちゃ
もう小銭がないんだよ
できることならば
やり直したいことがたくさんあるのに

アクトン・ベイビー
Acutung Baby U2



この曲は「Acutung Baby」のアルバムで聴き「ZooTVツアー」のライブでも聴いているのですが、それほど思い入れはありませんでした正直言って。
(っていうか「Acutung Baby」の路線がかなりショックだったため、アルバムを聴くのが辛かった・・・その後「POP」までアルバムに対してはずうっとそんな調子だったため、それほど聴きこんでいないんですよね・・・ややこしいファンでごめん)

それなのに今回の来日公演で、脳内チャート急上昇。
それ以前の評価が微妙だったので余計にインパクト大きかったかな。好きな曲に感動するのは当然とはいえ、それほどでもない曲だっただけにヤラレ感がひしひしと・・・。

「One」で第一部を閉じ、アンコールのオープニングが「The Fly」だったのですが、とにかく光とメッセージと音の洪水。

曲とは別の英文がフラッシュのように現れ

I don't want to
SEE
I don't want to
HEAR

見たくない 
聞きたくない

SEE 
HEAR

見ろ
聞け

と何度も文字が迫ってくるのは圧倒的です。

その場に居ても、このメッセージは断片的にしか読み取れない速さで点滅し消えていくのですが、それでも激しく何かを突きつけられている感覚になります。

THE SECRET IS YOURSELF
THE SECRET IS YOUR PAIN
THE SECRET IS INVINSIBLE NOW
THE SECRET IS LETTING GO
GIVING UP
BREAKING DOWN
YOU CAN RUN
YOU CAN'T HIDE
INSIDE OF YOU
YOU NEVER KNEW
YOU WILL WIN
ACCEPT IT ALL
YOU
BECOME

秘密は君自身
秘密は君の痛み
秘密は揺るぎない現在
秘密は解放されている
諦める
壊れる
君は走れる
君は隠れられない
君の内面
君は決して知らない
君は勝利するだろう
全て受け容れろ

なる

ざっと書いただけでもこんな感じ。
これらの、もっと夥しい数の言葉が文字通り「降ってくる」。
洗脳されているみたいでちょっと怖くもありますね・・・

エルビス・プレスリーも歌っていた古い歌に「It Is No Secret (What God Can Do) 」という曲があり、その曲もIt Is No Secret・・・から始まります。
神の為される業は隠されてはいない という意味。
ですが、この「The Fly」はBono曰く
「この曲は地獄からのイタズラ電話さ」(U2 BY U2)
だそうです。

楽曲の良さは最初からあったのだと思いますが、どう考えてもこの曲は「ZooTVツアー」の頃よりライブでの演奏に磨きがかかっている気がしました。迫力が全然違いましたもん。今回の「The Fly」はエッジのイントロから緊張感があって、身体に電流が走るようで息苦しくなるようでした・・・。
受け止めるこちら側のメンタリティの変化もあるのかもしれませんが、有無を言わさず迫ってくる曲自体の凄みは絶対、増していると思う。
若い頃のライブに爆発力があったと言われるバンドは数多くとも、リリースから15年を経て曲の爆発力がアップするバンドなんて、そうざらには居ないです。
こんなに時が流れてから曲の凄さを再発見させてくれるなんて、もう嬉しくてしょうがない!

ごめんなさい 今まで曲の良さが分からなくて・・・これからあの「3枚のアルバム」を改めてきちんと聴き直します。

[Songs] U2 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

God Part / U2

U2 rattle and hum


悪魔を信じるな
俺は悪魔の書いた本を信じない
だが悪魔の嘘がなければ、真実もこんなにはっきりしなかったはず

過剰なものを信じるな
成功は分け与えるもの
俺は金持ちたちを信じない
でも俺がどんな生活をしているかは見たほうがいいぜ
俺は・・・俺は愛を信じる

強制立ち入りを信じるな 
俺はレイプを信じない
でも彼女が通り過ぎるとき
いつも野蛮な気持ちになってしまうんだ

俺は死刑囚の監房もスラムやギャングも信じない
ウージ機関銃を信じるな
それは俺の手の中で消え去った
俺は・・・俺は愛を信じる

コカインを信じるな
俺の頭のなかはスピードボールでいっちゃってる
俺は君を切り刻んで開いてあげることもできたのに・・・
俺が言ったこと聞いてるかい?
治療のしようがないなんて俺に言う奴らを信じない
金持ちはいつも健康で
貧乏人はいつも病気のままさ
俺は・・・俺は愛を信じる

俺はゴールドマンを信じない
悪罵をつくようなタイプの野郎
もし俺が真っ先に彼を捕えなくても
因果応報の目に遭うだろうよ
ロックンロールが本当に世界を変えることが出来るなんて俺は信じない
革命を引き起こして世の中が急展開するなんてことはないのさ
俺・・・俺は愛を信じる

黄金のポップス時代だった60年代を俺は信じない
未来は無味乾燥で希望が持てないものだと感じたら
人は過去をやたら賛美したくなるのさ
昨夜遅くに、あるシンガーがラジオでこう歌ってたのを聞いたよ
彼は夜明けの陽が差し込むまで暗闇と闘い続けると
俺・・・俺は愛を信じる

俺は今にも崩れ落ちてしまいそうで
車輪の上で回っているみたいなんだ
それが止まるときは
いつも神の御名と存在を身近に感じるとき
俺は・・・俺は愛を信じる

Stop!

(For John Lennon)

魂の叫び
Rattle And Hum / U2

U2 魂の叫び
U2 魂の叫び(DVD)

1988年、アルバート・ゴールドマンによるジョン・レノンの伝記本「The Lives of John Lennon(邦題“ジョン・レノン伝説”)」が刊行された時、それは世間に物議を醸しました。
伝聞と偏見に基づいたゴシップ色の強い作品で、ジョンのみでなくビートルズのメンバーや関係者の名誉を傷つけるような書物だったからです。

悪魔を信じるな
俺は悪魔の書いた本を信じない

から始まるこの「God Part供廚硫了譴話者ゴールドマンに対する痛烈な批判と怒りが込められています。
同じく88年に公開された「魂の叫び」ですから、おそらくは刊行前から相当な評判だったのでしょうね、ゴールドマンの書いたものは。
ワイドショー的に無責任に興味を煽りアーティストを食い物にするライターの言う事を鵜呑みにする人も、ごく一部に居たのかもしれません。腹立たしいことですが。

ジョンの曲は全て「I don't believe・・・」と始まるのに対してBonoは「I」を抜き「Don't believe・・・」から歌い始めます。
「I」があれば「私は信じない」ですが、「I」が無ければ「信じるな」という命令形になってしまうので、訳す時にどう捉えるべきか正直かなり迷いました。
たった1文字の「I」の有る無しで大きく意味合いが違ってくるのだけれど、おそらくBonoは両方の意味を含んで、歌ったのではないかな・・・。

この曲が収録されている「Rattle And Hum」は、映画もアルバムもBonoの「チャールズ・マンソンに奪われたビートルズの歌を獲り返す!」というMCで始まる「Helter Skelter」のカヴァーから幕を開けます。
チャールズ・マンソンは白人と黒人の最終戦争のことを“Helter Skelter”と呼んでいて「“Helter Skelter”に備えよ」と自らが率いるカルト集団で呼びかけていました。
ビートルズの歌を貶めるマンソンにもジョン・レノンを汚すゴールドマンにも、我慢ならなかったBono。
自分が愛する歌、歌から与えて貰った愛を踏みにじられるのは許せなかったのでしょう。

「God」での「I」は通常の一人称では決してなく、あれはジョンの一人称で語られ歌われてこそ深い意味を持つ曲です。
たとえそれがいくら名曲であっても「God」を歌うというのはジョンの生き方に何らかの自己投影をしているか、あるいは自分の価値観をなぞらえているのかと思えてしまうので、「ジョンのソロ曲がカヴァーされにくい」というのは理解できるんですね。(イマジンは別として)
「God」そのものをカヴァーせず、「God Part供廚箸いΧ覆鯀郎遒靴Bonoのバランス感覚は素晴らしいなと思う。

I believe in love
俺は愛を信じる 

ここでの「愛」はジョンの曲「LOVE」も含み、音楽への愛や音楽から与えられた愛、そして広い意味での愛、全てを含んでいるかのよう。

ところで、和訳に「神の存在」と表記しましたが原詞には「God」という単語は一度も出てきません。
曲のラストに出てくる歌詞

With a presence I can feel

の「a presence」を「神の存在」としましたが、こういう英語を訳すのって難しいですね。文化的に単語に含まれている意味と背景の一つなのですが日本語だとどうも説明的になってしまって潔くない・・・。
顕在する「絶対的存在」というのは、この場合特定の宗教を指す必要は無いんじゃないか と思うので、「神の」という一言を入れるかどうか考えてしまいます。でもただの「存在」じゃおかしいしな・・・。
シンプルな単語ばかりなのに、訳すとなると非常に難しい という作品って多いんですよねU2には。
試聴リンクにお薦めできるものが見つからないのが残念〜。

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