HANOI ROCKS再生のアルバム「Twelve Shots on the Rocks」のトップがこの曲。
1984年に不慮の事故でラズルを亡くし、翌年85年には解散してしまった彼らが再結成したのは2002年。
17年間のブランクがあると、バンドとしての魅力や音の雰囲気は当時と変わってしまうんじゃないかとかサウンドに違和感を感じるんじゃないかとかアルバム聴く前はドキドキでした。
ほんの数年で思わぬ方向に変貌していくバンドだって多いし、ベテランバンドだってテンションを維持し続けるのは至難の業。ましてやずっと険悪だったメンバー同士が 空白を挟んで一体どんなものを作りだしてくるのか・・・
Hanoiとしてまた活動するというニュースを知ったとき、昔を知っているファンは驚きと喜びと不安が入り混じっていたはず。
でもそんな心配は不要でした。アルバムから流れてきたのは 紛れもなくHANOIのサウンド。しかもこの歌詞・・・嬉しくて泣けましたね。
でも「I Can Only Win (俺は勝つだけだぜ)」って・・・彼が歌うとかっこつけとか大言壮語とかいうよりもただの「強がり」なんですよね(爆)
だってそれまでの不運と言ったら。
デモリション23にしてもエルサレムスリムにしても余りにもトラブルが多すぎました。曲はいいんですが、時代に乗らないロックな姿勢というのはオルタナ主流の90年代には辛かったろうと思います。その時代のリスナーに受け入れられるか否かなんていうのは、ほんとわからないもんです。何が売れるかなんて作り手にはわからない。
しかし。「時代に迎合してヒヨって作品を作ったってつまらないし、それなら自分達のやりたいことをやろうぜ!」っていうスタイルはカッコいいけど、食べていくためには適度に稼がないといけない という現実はしっかりあるわけで・・・。
逆境をバネに作品を作るための試練だとしても神様って不公平なんだなと思ってしまうもんね・・・。
だからこの並々ならぬ「強がり」の曲は痛々しくもあり、もう一度立ち上がった証拠として嬉しくもある歌詞だったのです。